現在の久喜市は平成二十二年、当時の「久喜市」「鷲宮町」「栗橋町」「菖蒲町」一市三町から成る大合併で誕生しました。
それぞれの「まち」は発展の歴史を持っています。その歴史の誇りを、新しい市の人々が改めて共有し合って、他の市町の方々にも御紹介して行く事が大切だと考えます。特に文化財は、その重要性に反し時の流れに埋もれ易いものです。「知る人ぞ知る」と言った一部の方に承知されるにとどまり、その御尽力によって、ようやく保存されている事が少なく無い様です。
そこで、それぞれの「まち」にある文化財の中から、「まち」の歴史を紐解く上で貴重な鍵となる物を、郷土歴史研究家の方々に厳選していただきました。意外にも、それらの貴重な財産は、そこに暮らす人々の間でも、広く知られているものではありませんでした。
私どもは、時とともに記憶の彼方に埋もれてゆく貴重な文化財の名を、新館の部屋名とさせて頂きました。この事が、皆様に改めて「まち」の歴史に関心を持っていただくお手伝いとなれば幸甚に存じます